「宇宙人のホームステイ」(5)
博物館についた。
夏休みなので、特別展もやっている。
原人と呼ばれる大昔の人間の骨も見られるらしい。
アキトくんは、またおもしろそうに、キョロキョロしていた。
恐竜の骨を見た。
「これは知っているよ。地球には、大昔、巨大な動物がいたんだよね。
哺乳類だったものもいるみたいだよ。あと、巨大な鳥も。
極楽鳥のように、とてもきれいな色をしていたんだって。」
「どうしてそんなこと知っているの?」
「ぼくたちのタイムリーダーという機械で、地球の歴史を読み取ったのさ。
君たちのテレビみたいなものだよ。」
ボクは、びっくりして口がきけなかった。
次に、原人の骨が展示されているところに行った。
「これも知っているよ!この前、学校で習ったんだ。
君たちの祖先の原人は、ボクたちの星の研究者が作ったんだって。
地球には、大きな研究室があって、遺伝子の研究をしていたと、教わったよ。
だから、ボクは地球に来てみたかったんだ!」
アキトくんは興奮して、大声でしゃべっていた。
隣にいたおばさんと男の子が、ヘンな顔で振り返った。
お母さんは、あせっていた。
ボクは、一瞬、なんのことか分からなかったが、周りの人達の様子を見て、
ちょっとマズイかなと思った。
お母さんは、
「さあ、お茶でも飲みましょう。」
と言って、ボクとアキトくんをあわてて、展示室から連れ出した。
博物館の休憩室に行って、ジュースを飲みながら、ボクは注意した。
「アキトくん、君の話は、普通の人にはびっくりするから、あまり大きな
声で言わないで。」
「そうか、こういうことは、君たちには知らされていないのか。」
「あの、さっきの話、本当なの?君たちの星の研究者が地球人を作ったということ。」
「ああ、そうだよ。」
あまりにあっさりと言われたので、ボクは考え込んでしまった。
SF映画みたいなことになってきた、と思った。
そもそも、宇宙人の子供と友達になったこと自体が、SF映画よりすごいことだけれど。