「宇宙人のホームステイ」(4)
次の日、ボクとアキトくんは、外出することにした。
アキトくんの話だと、エアという星の学校で、地球の様子のビデオを
見てきたんだって。
だから、建物とか街の様子とか、けっこう知っているらしい。
お母さんと話し合って、3人で博物館に行くことにした。
恐竜の骨とか、宇宙の星の模型とかがあるところ。
ボクの夏休みの宿題ネタにもなるし、アキトくんにも、地球の子供たちが
行くところを見せてあげられる。
外に出た。
大通りを歩いていると、後ろから、ブーーーンとバイクがすごい音で近づいてきた。
アキトくんは、うわーっと言って、飛び上がった。
びっくりして振り返ったらしい。
そして、バイクが通り過ぎると、ため息をついた。
「すごい音だねえ。君たちは、こんな音をいつも聞いているの?」
ボクには、いつもと同じ道路の光景だったけれど、アキトくんはびっくりしたみたいだ。
次は、地下鉄の駅に行った。
アキトくんは、キョロキョロしていた。指をチカチカと、少し動かしていた。
「何しているの?」
ボクは聞いてみた。
「これは、写真を撮っているんだよ。空から街の様子は見ることができるけれど、
地球の地下鉄の中まで行った人は、そんなに多くないんだ。この映像は貴重だよ。」
へえ、そうか。
そうだよな、いくらすごい科学力を持った宇宙人だって、いつでもカンタンに地上に
来られるわけではないよな。
アキトくんは、切符を改札に入れるところや券売機を、とてもおもしろがっていた。
おもちゃに見えるらしい。
ホームに下りると、行き先と時間が書いてある電光表示板とか、時計とか、
いろいろなものを写真に撮っていた。
とつぜん、ゴーーーーっと音がした。電車が来たんだ。
うわーっと言って、アキトくんは耳をふさいだ。どうしたんだろう。
電車が到着して、ボクたちは乗り込んだ。
アキトくんは、ヘンな顔をして、疲れているみたいだった。
「どうしたの?」
ボクはちょっと心配になった。
「君たちの電車は、こんな音がするの?これはひどいな。」
「どういう意味?」
「ボクたちの星では、こんな音はしないんだよ。
音というのも波動のひとつだから、すごく大きな音を突然聞いたりするのは、
体によくないんだ。
建物などを壊すときにも、音は使えるんだよ。
瞬間的に巨大な音波を当てると、分子の結合がはずれて、壊れるんだ。
つまり、音には、使い方によってはそれだけ破壊力があるということ。
いつもこんな音を聞いているのは、体にとっては大変なんだよ。」
そうだったのか。ボクは知らなかった。
だから、さっき、バイクの音にもびっくりしたんだ。
「逆に、調和した音の周波数を使えば、騒音はきれいな音楽になる。
ボクたちの宇宙船は、飛び立つときも、きれいな音がでるんだよ。」
えー?そうなの?
機械からきれいな音が出るなんて、びっくりした。
アキトくんの星の科学は、本当にすごいみたいだ。
ボクと同じくらいの年なのに、そんなことまで知っているなんて。