春のひざしがあたたかい

ポカポカとおひさまの光

とってもきもちがいいから

へやのまどをあけてみよう

まぶしくてあたたかい光が

へやのなかへはいってくる

つくえでほんをよんでいたけれど

ねむくなってきた

目が重くなってくる

あったかくてきもちいい





おーい、こっちこっち

どこかでだれかがよんでいる

こっちにおいでー

声のするほうにいってみた

わたしはとてもまぶしいところにいる

きみは地球からきたの?

あなたはだれ?

ぼくは太陽でしごとをしているんだ

え?たいよう?

そうだよ、ここは太陽だよ

それは大変、わたしは燃えてしまうの?

そんなことはないよ

せっかく来たのだからあんないしてあげるよ





あなたはどんなおしごとをしているの?

ぼくたちは、地球ではコロナとよばれているんだ

コロナって太陽からたちあがる火の柱のこと?

そう、よくしっているね

ぼくたちは、火の精なんだ

火の精ってなに?

うーん、地球の妖精みたいなものかな





少年のからだはユラユラとゆれている

あかくてすきとおって

炎のようにみえる

ぼくたちは太陽のなかからジャンプをするんだ

おおきくジャンプをすると

おおきなコロナができるんだよ

そのコロナの光を宇宙の風に乗せてはこぶんだ

太陽系ぜんぶにいきわたるようにね

宇宙に風があるの?

そうだよ

地球では太陽風とよばれている

これがぼくたちのしごと





ぼくといっしょにジャンプしてみる?おもしろいよ

どうやるの?

太陽のなかへスピードをあげておりていくんだ

そしてまんなかへきたときに

からだを回転させる

こんどは上へとんでいく

太陽からでるときに、ちからをこめてジャンプ!

そうすると、炎の柱ができるんだよ

さあ、おいで





少年と手をつないで太陽のなかへとんでいく

どんどんおりていく

すごいスピード

ドキドキする

まわりは、赤くて、オレンジ色で、黄色

でも熱くない

燃えてしまうかとおもったけれど、だいじょうぶ

あたたかくてひなたぼっこしているみたい

よくみると、ほかにも飛んでいるひとたちがいる

みんなジャンプしている

みんな楽しそう

太陽のまんなかには、金色のところがある

あそこから、なにかキラキラしたものをもってくるみたい





さあ、こんどは方向をかえるよ

少年といっしょに方向をかえる

わたしにも金色の粉がふりかかった

すてき!

わたしが金色にそまっている!





つぎはおおきくジャンプだよ

少年といっしょに、えいっととびはねる

トランポリンみたい

はずみがついてわたしはそとへほうりだされた

金色の粉が炎にかわる

赤く光る

キラキラとなんてきれい





あの炎が風にのって地球にもとどくんだよ

きみのひかりだよ

みんながこうやって太陽の光をつくってくれているの?

そうだよ

太陽系がいつもあかるくいられるようにね

ぼくたちは、太陽系がだいすきなんだ

ここはみんなのふるさとだから

地球のひとたちはよくこういってくれた

お日さまの恵みをありがとう、と

ありがとうといわれるとぼくたちもうれしいよ

でも、最近はあまりきこえなくなったんだ

お正月のときは、みんなが太陽をみてくれるね

初日の出とよばれていることをしっているよ

その日はがんばるんだ

きれいな太陽をみてもらえるように

おおきくなんどもジャンプするんだよ





そうだったの?

わたし、しらなかった

お日さまの恵みをありがとう、と、いったことがなかった

でも、きみは太陽へきてくれたね

地球からのおきゃくさんはめずらしいよ

みんなよろこんでいるよ

ありがとう





チュンチュンチュンチュンチュン

すずめのこえがきこえて目が覚めた

わたしはつくえで本をよんでいたのに

いつのまにか眠っていた

楽しい夢をみていた

まどをあけたままだったので

すずしくなってきた

太陽が夕日になっている

あの光はわたしがジャンプしたもの?

それともあのしょうねんのものかしら

あたたかい太陽

ひなたぼっこはだいすき

お日さまの光があるから生きていける

人間も動物も植物も

こんなにたいせつなお日さま

いつもありがとう

お日さまの恵みをありがとう



終わり